【2026年8月31日更新】
福岡・天神のランドマークとして親しまれたイムズ(IMS)は、2021年8月31日に閉館しました。
1989年4月12日の開業から営業期間は約32年。金色の外観や大きな吹き抜け、カーブしたエスカレーター、イムズホールなど、ほかの商業施設にはない個性を持った場所でした。
閉館後は建物が解体され、跡地では大型複合ビルの建設が進行しています。計画段階では「(仮称)天神1-7計画」と呼ばれていましたが、現在の名称は「天神大樹(てんじんたいじゅ)」です。
この記事では、天神イムズがいつ閉館したのか、なぜ建て替えられたのか、施設名「IMS」の意味や32年の歴史、閉館当日の様子、跡地の現在まで振り返ります。
天神イムズの閉館・跡地情報
- 開業日:1989年4月12日
- 閉館日:2021年8月31日
- 営業期間:約32年
- 施設名:INTER MEDIA STATION(イムズ)
- 所在地:福岡市中央区天神1丁目7番11号
- 閉館後:建物を解体し、跡地を再開発
- 跡地の新施設:天神大樹
- 新施設の竣工予定:2027年5月末
※2027年5月末は建物の竣工予定です。商業施設全体の正式なオープン日とは限りません。
天神イムズはいつ閉館した?
天神イムズが閉館したのは、2021年8月31日です。
三菱地所は2019年1月9日、イムズの営業を2021年度内に終了し、再開発へ着手する方針を発表しました。
その後、2020年9月14日の発表で、営業終了日が2021年8月31日に正式決定しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開業日 | 1989年4月12日 |
| 閉館方針の発表 | 2019年1月9日 |
| 閉館日の正式発表 | 2020年9月14日 |
| 最終営業日 | 2021年8月31日 |
| 営業期間 | 約32年 |
閉館から時間が経過した現在も、「イムズはいつ閉館したのか」「跡地には何ができるのか」と検索する人が多いのは、それだけ天神の街を象徴する施設だったからでしょう。
天神イムズはなぜ閉館した?閉店・建て替えの理由
イムズ閉館の主な背景は、福岡市が進める再開発促進事業「天神ビッグバン」と、天神の将来を見据えた建物の機能更新です。
三菱地所は2019年の発表で、周辺の開発計画が進み天神地区の将来像が変化するなか、新しい時代の天神に求められるニーズへ対応し、再開発によって新たな価値を生み出す方針を示しました。
つまり、イムズだけを部分的に改装して営業を続けるのではなく、敷地全体をオフィス・ホテル・商業施設などが入る新しい複合ビルへ建て替える判断が行われたということです。
売上不振や倒産が閉館理由だった?
三菱地所の公式発表では、売上不振や経営破綻、倒産を閉館理由として挙げていません。
また、「建物の老朽化だけが直接の原因だった」とする説明も確認できません。
公式情報に沿えば、イムズの閉館は天神ビッグバンを背景に、街の変化や今後の需要へ対応するために計画された再開発と考えるのが適切です。
新型コロナが原因で閉館した?
イムズの閉館・再開発方針が最初に発表されたのは2019年1月です。そのため、新型コロナウイルスの流行が閉館決定の直接的な原因ではありません。
一方、2020年の発表では、ポスト・コロナ時代の働き方や生活様式の変化に対応するため、換気、非接触、通信環境、ゆとりある空間、オープンスペースなどを新しい建物の計画へ取り入れる方針が示されました。
コロナ禍は閉館そのものを決めた理由ではなく、再開発後の建物に求められる機能へ影響を与えたと整理できます。
天神ビッグバンで天神はどう変わる?再開発・新施設の情報はこちら
天神イムズとは?IMSの正式名称と意味
イムズは、1989年4月12日に開業した三菱地所初の都心型商業施設です。
建物の正式名称は「天神MMビル」、施設の正式名称は「INTER MEDIA STATION」でした。
「IMS(イムズ)」は、INTER MEDIA STATIONの頭文字を取った名称です。
買い物や飲食だけを目的とする施設ではなく、人、企業、商品、アート、音楽などの情報を受け取り、発信する「情報受発信基地」という考え方が込められていました。
| 項目 | 旧イムズの概要 |
|---|---|
| ビル名称 | 天神MMビル |
| 施設名称 | INTER MEDIA STATION(イムズ) |
| 所在地 | 福岡市中央区天神1丁目7番11号 |
| 規模 | 地上14階・地下4階・塔屋1階 |
| 敷地面積 | 約4,600平方メートル |
| 延床面積 | 約44,900平方メートル |
| 開業日 | 1989年4月12日 |
「IMS」を別の言葉の略として紹介している情報もありますが、三菱地所の公式資料で確認できる正式名称はINTER MEDIA STATIONです。
金色の外観と吹き抜けが印象的だったイムズ
天神イムズと聞いて、金色に輝く建物を思い出す人も多いでしょう。
イムズは八角形の個性的な外観を持ち、金色の外壁にはオリジナルカラーで作られた有田焼が使われていました。
天神の中心部でもひと目でイムズと分かる存在感があり、福岡市役所西側ふれあい広場に隣接する立地とあわせて、待ち合わせ場所や街の目印としても親しまれていました。
中央を大きく貫く吹き抜け
館内の特徴は、複数のフロアを見渡せる大きな吹き抜けです。
一般的な商業施設とは異なる開放的な構造で、買い物をしながら建物そのものを楽しめる空間になっていました。
館内でイベントが行われる際には、別の階から会場を見下ろす人の姿もあり、各フロアの気配が緩やかにつながっていることもイムズらしさのひとつでした。
九州初のスパイラルエスカレーター
地下2階から地下1階へ上がる場所には、カーブを描くスパイラルエスカレーターが設置されていました。
天神経済新聞によると、スパイラルエスカレーターの採用は九州初。直線ではなく曲線状に動く珍しいエスカレーターは、イムズを象徴する設備のひとつでした。
自動車ショールームから文化施設まで入居
開業当時のイムズは、ショップやレストランだけで構成された商業施設ではありませんでした。
過去には4階に自動車メーカー4社のショールームが入るなど、商品をその場で購入するだけではなく、新しい暮らしや情報に触れるための場所が設けられていました。
さらに、コンサートや舞台などが行われたイムズホール、現代美術を発信したアートギャラリー三菱地所アルティアムなどもありました。
音楽、演劇、アート、ファッション、食、デザインなどを一つの建物で体験できたことが、イムズを一般的なショッピングビルとは異なる存在にしていました。
天神イムズの最終日はどうだった?
最終営業日の2021年8月31日には、イムズとの別れを惜しむ多くの人が訪れました。
店舗は19時に営業を終了。その後、9階のイムズホールで閉館セレモニーが開かれました。
新型コロナウイルス感染防止のため、正面玄関前に大勢が集まる形式ではなく、事前募集による約200人がセレモニーへ参加しました。
会場の様子は地下2階の大型ビジョン「オーロラビジョン」やオンラインでも配信され、劇団「ギンギラ太陽’s」によるショート舞台「おしまイムズ THE LAST SHOW」も上演されました。
1989年の開業から約32年。イムズは多くの人に見送られながら、天神での営業を終えました。
イムズ開業から跡地「天神大樹」までの歴史
| 年月 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1989年4月12日 | 天神イムズが開業 |
| 2019年1月 | 営業終了と再開発の方針を発表 |
| 2020年9月 | 2021年8月31日を営業終了日に決定 |
| 2021年8月31日 | 約32年間の営業を終えて閉館 |
| 2022年8月 | 跡地計画が天神ビッグバンボーナスの認定を受ける |
| 2024年5月 | 「(仮称)天神1-7計画」の新築工事に着手 |
| 2025年12月 | 竣工予定を2027年5月へ変更 |
| 2026年8月 | 新しい施設名称「天神大樹」を発表 |
| 2027年5月末 | 天神大樹が竣工予定 |
天神イムズの跡地は現在どうなっている?
天神イムズの跡地では、三菱地所による大型複合ビル「天神大樹」の建設が進められています。
天神大樹は地上21階・地下4階、高さ約91メートル、延床面積約7万3,960平方メートル。商業施設、オフィス、ホテルなどが入る計画です。
ホテル部分には、アメリカ・シアトル発のライフスタイルホテル「エースホテル」が出店します。
また、地下では天神地下街、ONE FUKUOKA BLDG.、因幡町通り地下通路などと接続する予定です。
建物の竣工予定は2027年5月末ですが、商業施設全体の正式なグランドオープン日や個別テナントの詳細は、今後の発表を待つ必要があります。
天神イムズはリニューアルして復活する?
イムズという施設が、そのままリニューアルオープンする計画ではありません。
旧イムズの建物は解体され、跡地には規模も用途も異なる新しい複合ビル「天神大樹」が誕生します。
したがって、「新しいイムズが復活する」というより、イムズ跡地が新しい施設へ生まれ変わると考えるのが正確です。
一方、三菱地所は新施設の開発コンセプトとして「福岡文化生態系」を掲げています。
商業機能だけでなく、ホテルでの音楽・アートプログラムや地域交流の場なども計画されており、イムズが担ってきた情報・文化発信の役割は、新しい形で次の施設へつながっていくことになりそうです。
天神イムズの閉館に関するよくある質問
天神イムズの閉館日はいつですか?
2021年8月31日です。1989年4月12日の開業から約32年間営業しました。
イムズはなぜ閉館したのですか?
福岡市の「天神ビッグバン」を背景に、変化する天神のニーズへ対応する新しい複合ビルへ建て替えるためです。公式発表では、売上不振や倒産を閉館理由として挙げていません。
新型コロナが原因で閉館したのですか?
閉館・再開発の方針は新型コロナ流行前の2019年に発表されているため、コロナが直接の閉館原因ではありません。ただし、再開発後の建物にはポスト・コロナを意識した機能が取り入れられています。
イムズの名前は何の略ですか?
「INTER MEDIA STATION」の頭文字です。情報や文化を受け取り、発信する拠点という施設のコンセプトを表しています。
イムズ跡地には何ができますか?
商業施設、オフィス、エースホテルなどが入る大型複合ビル「天神大樹」が建設されています。建物は2027年5月末に竣工予定です。
イムズはもう一度オープンしますか?
イムズという名称の施設がそのまま復活する計画は発表されていません。跡地は別名称の新施設「天神大樹」へ生まれ変わります。
天神イムズの閉館と跡地まとめ
福岡・天神で親しまれたイムズは、2021年8月31日に閉館しました。
1989年の開業から約32年間、買い物や飲食だけでなく、アート、音楽、演劇、ショールームなどを通じて情報と文化を発信してきた施設です。
閉館は売上不振や倒産によるものと公式に説明されているわけではなく、天神ビッグバンと街の将来を見据えた再開発として決定されました。
現在、跡地では新しい複合ビル「天神大樹」の建設が進んでおり、2027年5月末の竣工が予定されています。
建物や名称は変わりますが、イムズが天神に残した情報・文化発信の歴史は、新しい街づくりを考えるうえでも大切な記憶として残り続けるでしょう。
参考資料
- 三菱地所「イムズ」営業終了・再開発計画始動
- 三菱地所「イムズ」建替えプロジェクト
- 天神経済新聞「天神イムズ閉館、32年の歴史に幕」
- 三菱地所「(仮称)天神1-7計画」新築工事着工
- 三菱地所「(仮称)天神1-7計画」竣工時期見直し
- 三菱地所オフィス情報「天神大樹」
※掲載内容は2026年8月31日時点で公表されている情報を基にしています。

