Netflix『リボンヒーロー』は『リボンの騎士』と何が違う?声優にサーヤ・にじさんじ3人

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Netflix映画『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』を見て、「思っていた『リボンの騎士』と全然違う」と感じた人は少なくないかもしれません。

それもそのはずで、手塚治虫版で物語の中心だった「男の子と女の子の二つの心」「女性であることを隠して王子として育てられる」「フランツ王子との恋」「天使チンク」といった設定は、新作では物語の中心から大きく外れています。

Netflix版のサファイアは、ネルガルに故郷を滅ぼされた亡国の王女。リボンとクリスタルの力によって変身し、新たに見つけた仲間や居場所を守る「リボンヒーロー」として戦います。

一方、配信後の口コミを見ると評価はかなり割れています。

2026年8月11日に確認したFilmarksでは平均評価が2.6。低めの評価が目立つ一方で、作画、色彩、キャラクターデザイン、アクションについては高く評価する声もあります。

単純に「原作改変だから不評」というだけではなく、原案から何を外し、何を新しい作品へ置き換えたのか。その選択自体が『リボンヒーロー』の賛否につながっています。

手塚治虫『リボンの騎士』との違い、五十嵐祐貴監督が大胆に再構築した理由、サーヤやにじさんじメンバーの声優評価、さらに結末とラストの宝塚まで見ていきます。

ネタバレについて

この記事では途中から『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』の結末、最終決戦、ラストシーンについて触れています。未視聴の場合は「結末」以降にご注意ください。

先に大きな違いをまとめると

  • 原案のサファイヤは「男と女、二つの心」を持つ
  • 原案では女性であることを隠し、王子として育てられる
  • 新作では「亡国の王女サファイア」として物語が始まる
  • フランツ王子との恋愛は物語の中心ではない
  • 天使チンクは登場せず、新作のチックは別のキャラクター
  • 原案の王位継承争いから、ネルガルとの戦いへ大幅変更
  • 変装する騎士ではなく、リボンによって変身するヒーローになった
  • 原案のジェンダーをめぐる設定は新作では正面から扱われていない
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  1. 『リボンヒーロー』は『リボンの騎士』のリメイクではない
  2. 手塚治虫『リボンの騎士』と『リボンヒーロー』の違い
    1. 最大の違いは「男と女、二つの心」がなくなったこと
    2. 王子として生きるサファイヤから「亡国の王女」へ
    3. リボンの騎士は「変装」から「変身ヒーロー」へ
    4. フランツ王子との恋愛は中心ではない
    5. チンクは登場しない チックとは別キャラクター
    6. ヘケートは名前を受け継いでも立場が違う
  3. なぜ『リボンの騎士』をここまで大胆に変えた?
    1. ジェンダーのテーマを外したことも意図的だった
    2. Netflix側は「自分で生き方を選ぶ精神」を受け継いだ作品と位置づける
  4. 『リボンヒーロー』の評価は低い?口コミ・レビューを確認
    1. 「『リボンの騎士』である意味が分からない」という声
    2. 原案を知らない視聴者からもストーリーへの不満がある
    3. サーヤの声優演技は賛否が分かれる
    4. 終盤のコミカルな演出が人を選ぶ
  5. 逆に『リボンヒーロー』で評価されているところは?
    1. 作画・色彩・キャラクターデザイン
    2. 「新しいヒーロー映画」として見ると楽しめるという声
    3. 原案をコピーしなかったこと自体を評価する見方もある
  6. サーヤ・にじさんじ3人の声優はどうだった?
    1. 月ノ美兎のヘケートは原案との接点が強い
    2. ルンルンとでびでび・でびるは双子のチック&タック
  7. ここから結末ネタバレ|ネルガルとの最終決戦
  8. ラストで飛んでいくリボンの意味は?
    1. サファイアが「力に選ばれる側」から卒業した
    2. 次の「リボンの騎士」へつながる可能性
  9. なぜ最後に宝塚の実写映像が出てくる?
  10. 「誰かの望む私じゃ嫌だ」は原案と新作をつなぐ言葉
  11. 『リボンヒーロー』は子どもと見られる?Netflixは13+
  12. 監督・制作スタッフ
  13. 主題歌はGirls Archives.「Reborn」
  14. 『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』公式予告
  15. 『リボンヒーロー』のよくある質問
    1. 『リボンヒーロー』は『リボンの騎士』のリメイク?
    2. 手塚治虫版と一番違うところは?
    3. 『リボンヒーロー』の評価は低い?
    4. なぜ評価が分かれている?
    5. チックは原案のチンク?
    6. 月ノ美兎が演じるヘケートは原案にもいる?
    7. なぜラストに宝塚が出てくる?
    8. 『リボンヒーロー』の続編はある?
  16. まとめ

『リボンヒーロー』は『リボンの騎士』のリメイクではない

まず押さえておきたいのは、『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』は手塚治虫『リボンの騎士』のストーリーをそのまま映像化したリメイクではないということです。

公式表記も「原作」ではなく、手塚治虫『リボンの騎士』より「原案」となっています。

サファイア、シルバーランド、リボン、剣、王女、ヘケートなど、原案を思わせる名前やモチーフは残っています。

しかし物語の出発点、サファイアの生い立ち、戦う理由、敵、仲間、恋愛、王国をめぐる事情まで、大部分が新しく作られています。

そのため、「『リボンの騎士』の現代版を見たい」と思って再生すると、想像以上の違いに戸惑う可能性があります。

逆に原案をほとんど知らなければ、亡国の王女がトラウマを乗り越えてヒーローになる独立したファンタジー映画として見ることもできます。

手塚治虫『リボンの騎士』と『リボンヒーロー』の違い

両作品を並べると、変更の大きさが分かりやすくなります。

比較 手塚治虫『リボンの騎士』 Netflix『リボンヒーロー』
主人公 サファイヤ サファイア
生まれ 男の子と女の子、二つの心を持つ シルバーランドの王女
育てられ方 女性であることを隠し王子として育つ 王女として育つ
物語の出発点 王位継承と女性であることを隠す秘密 ネルガルに故郷を滅ぼされる
騎士 姿を隠して「リボンの騎士」として戦う リボンの力をまとって変身する
主な敵 ジュラルミン大公、ナイロン卿など 災厄ネルガル、ミトラをめぐる勢力
チンク サファイヤに男の心を与えた天使 登場しない。似た名前のチックは別の人物
フランツ王子 サファイヤの恋愛で重要な人物 原案と同じ立場の恋愛相手は置かれていない
ヘケート 悪魔メフィストの娘 ゴールドランドで働く仲間の一人
中心テーマ 性別、社会的役割、王位、恋愛、自分らしさ 喪失、トラウマ、自己決定、犠牲、ヒーローになること

『リボンの騎士』には少女クラブ版、なかよし版、テレビアニメ版など複数のバージョンがあり、細かな設定は異なります。

それでも「二つの心を持つサファイヤ」「女性が王位を継げないため王子として育つ」「天使チンク」「フランツ王子」といった要素は、手塚版を象徴する部分です。

最大の違いは「男と女、二つの心」がなくなったこと

手塚版のサファイヤは、天使チンクのいたずらによって男の子と女の子、二つの心を持って生まれます。

さらにシルバーランドでは女性が王位につけないため、女性であることを隠し、国民には王子として育てられます。

この二重性が、原案のサファイヤというキャラクターの大きな特徴でした。

剣を使う王子としての姿と、舞踏会でフランツ王子に惹かれる少女としての姿。その間を行き来することが、冒険や恋愛だけでなく「自分は何者なのか」という葛藤にもつながっています。

『リボンヒーロー』では、この設定を物語の中心に置いていません。

新作のサファイアは最初から王女であり、「女性だと知られてはいけない」という秘密もありません。

原案を知っている人ほど、ここが最も大きな変更に感じられるでしょう。

王子として生きるサファイヤから「亡国の王女」へ

新作では、サファイアの葛藤そのものが別のものになっています。

シルバーランドをネルガルに滅ぼされ、故郷も大切な人々も失ったサファイアは、ゴールドランドへ流れ着きます。

そこで新しい人々と出会い、もう一度誰かとつながり始めた時、ネルガルの脅威が再び現れます。

原案の「秘密を守りながら国を継ぐ」という物語から、「一度すべてを失った少女が、再び大切なものを失わないために戦う」物語へ変わりました。

リボンの騎士は「変装」から「変身ヒーロー」へ

手塚版のサファイヤは、衣装や仮面によって「リボンの騎士」の姿となります。

Netflix版では、クリスタルとリボンがサファイアに力を与え、身体をリボンが包み込むような変身シーンが描かれます。

つまり新作は、騎士の衣装をまとって正体を隠す物語というより、現代のアニメでおなじみの変身ヒーローへ近づきました。

「リボンの騎士」から「リボンヒーロー」というタイトルへ変わったことも、この方向性を象徴しています。

フランツ王子との恋愛は中心ではない

原案ではフランツ王子との恋が大きな物語の一つです。

フランツは、王子として生きるサファイヤと、舞踏会で出会った女性が同じ人物だとは知らずに惹かれていきます。

この関係も「男として生きることを求められた自分」と「本当の自分」の葛藤につながっています。

一方、『リボンヒーロー』は恋愛を物語の中心には置いていません。

サファイアが新しい仲間と出会い、誰かを守るヒーローへ変わっていくことの方が重要です。

チンクは登場しない チックとは別キャラクター

原案の天使チンクは、サファイヤに男の心を与えてしまった張本人です。

つまりチンクがいなければ、原案の物語そのものが始まりません。

新作には「チック」というよく似た名前の人物が登場しますが、同一人物ではありません。

チックはゴールドランドの採掘場でサファイアと働く仲間で、タックとは双子。チックをルンルン、タックをでびでび・でびるが演じています。

天使としてサファイアの心に関わるチンクとは、物語上の役割が大きく異なります。

ヘケートは名前を受け継いでも立場が違う

新作で原案とのつながりが分かりやすい人物の一人が、月ノ美兎さん演じるヘケートです。

手塚版のヘケートは悪魔メフィストの娘で、かなり自由奔放なキャラクター。

新作ではサファイアと同じ採掘班で働く仲間として登場します。

名前や快活な人物像に原案の面影を感じる部分はありますが、物語上の立場までそのまま引き継いだキャラクターではありません。


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なぜ『リボンの騎士』をここまで大胆に変えた?

これほど違うと、「なぜ『リボンの騎士』を原案にする必要があったのか」と感じる人もいるでしょう。

この点については、五十嵐祐貴監督自身が配信後のインタビューで制作経緯をかなり具体的に語っています。

企画の初期には原案に近い方向も検討されていましたが、その企画がなくなり、五十嵐監督にはもっと大胆にアレンジしてアクションへ寄せた作品として声がかかったといいます。

つまり、『リボンヒーロー』が原案と違うのは、制作中に偶然変わってしまったわけではありません。

最初から「そのままのリメイクではない作品」を目指していたことになります。

ジェンダーのテーマを外したことも意図的だった

特に興味深いのが、原案のジェンダーをめぐる要素です。

五十嵐監督は、『リボンの騎士』が現在ではジェンダーやLGBTQ+の観点から読み直されていることを認識したうえで、その問題へ正面から取り組むには自分は適任ではないと考え、新作では中心テーマとして扱わなかったと説明しています。

ここは『リボンヒーロー』を評価する上でかなり重要です。

原案最大の個性を理解せず消したというより、あえてそこを主題にせず、「現代のヒーローとは何か」という別の方向へ置き換えたということです。

ただ、その判断が正しかったかどうかは別問題です。

原案ファンからすれば、二つの心や男装を外した時点で「『リボンの騎士』である意味が薄くなった」と感じるのも自然でしょう。

Netflix側は「自分で生き方を選ぶ精神」を受け継いだ作品と位置づける

Netflixは新作について、誰かに望まれた姿ではなく、自らの意志で運命を選ぶサファイアの物語として紹介しています。

原案と新作で設定は大きく違います。

それでも、周囲が決めた役割ではなく、自分自身の選択で前へ進むという部分を『リボンの騎士』から受け継ぐ精神と考えれば、両作品をつなぐ一本の線は見えてきます。

この「設定を受け継いだ作品」ではなく、「精神を別のヒーロー物語へ置き換えた作品」という考え方が、『リボンヒーロー』を見る一つの鍵になりそうです。

『リボンヒーロー』の評価は低い?口コミ・レビューを確認

配信直後から、『リボンヒーロー』はかなり評価が割れています。

2026年8月11日にFilmarksで確認した平均評価は2.6でした。

評価帯 割合
4.1~5.0 5%
3.1~4.0 26%
2.1~3.0 35%
1.0~2.0 34%

※Filmarksの評価は投稿によって変動します。上記は2026年8月11日確認時点です。

2.1~3.0と1.0~2.0を合わせると、低~中評価がかなり大きな割合を占めています。

ただしレビューを読むと、全員が同じ理由で低く評価しているわけではありません。

大きく分けると、次のような意見が目立ちます。

「『リボンの騎士』である意味が分からない」という声

原案を知る人から特に出ているのが、設定を変えすぎたことへの違和感です。

二つの心、男装、王位継承、チンク、フランツ王子との恋愛といった原案を象徴する部分が大幅に減っています。

サファイアやシルバーランドなどの名前だけが残り、物語そのものはかなり異なるため、「別作品として作っても成立したのでは」という感想につながっています。

海外紙The Guardianのレビューでも、映像表現については評価しながら、原案が持っていたジェンダーをめぐる複雑さを弱め、一般的なバトルアニメに近づいた点が批判されています。

一方、監督自身はジェンダー的テーマを扱わなかった理由を明確に説明しています。

ここは「原案を理解しているか、いないか」という単純な話ではなく、どの要素を『リボンの騎士』の本質と考えるのかで評価が分かれている部分です。

原案を知らない視聴者からもストーリーへの不満がある

低評価をすべて「原作ファンが怒っているだけ」と考えるのも正確ではありません。

Filmarksでは、原案をほとんど知らずに見た視聴者からも、

  • 物語が駆け足に感じる
  • 世界観の説明が足りない
  • 登場人物へ感情移入する前に話が進む
  • 王道というより展開が予想しやすい
  • 映像に対して脚本が弱く感じる

といった反応が見られます。

『リボンの騎士』との比較だけではなく、一本のアニメ映画としてストーリーや人物描写に物足りなさを感じた人もいるということです。

サーヤの声優演技は賛否が分かれる

主人公サファイアを演じるのは、ラランドのサーヤさんです。

サーヤさんにとって長編アニメーションで主人公を演じる大きな挑戦となりました。

レビューでは、「思っていたより自然だった」「サファイアに合っていた」という肯定的な意見がある一方で、

  • 周囲の本職声優との差が気になる
  • サファイアのビジュアルと声質が合わないと感じる
  • シリアスな場面では演技が気になる

という意見もあります。

ここは「声優が下手」と単純に結論づけるより、声そのものというより、キャラクターとの相性や周囲との演技の違いが気になった視聴者がいると見る方が実際の口コミに近いでしょう。

終盤のコミカルな演出が人を選ぶ

終盤では、それまでのシリアスな空気からトーンが大きく変わる場面があります。

ここを「急に雰囲気が変わってついていけなかった」と感じたレビューもあります。

しかし、この演出については五十嵐監督が意図を明らかにしています。

最後は手塚治虫作品の持つカラッとした感覚へ戻りたかったことに加え、サファイアがトラウマを乗り越え、かつて恐れていたものを客観的に見られるようになったことを表現するため、あえてコミカルな方向へトーンを変えたと語っています。

理由が分かると見え方は変わりますが、その演出が映画の中で自然に伝わったかどうかは、また別の評価になりそうです。

逆に『リボンヒーロー』で評価されているところは?

平均点だけを見るとかなり厳しい評価に見えますが、口コミには共通して褒められている部分もあります。

作画・色彩・キャラクターデザイン

特に評価されているのが映像です。

望月けいさんによるキャラクター原案、米山舞さんのキャラクター原案協力、新垣一成さんのアニメーションキャラクターデザインなど、強い個性を持つクリエイターが参加しています。

キャラクターの線、衣装、背景、美術、色彩、アクションは、低評価レビューの中でも褒められているケースがあります。

The Guardianもストーリーには厳しい評価をしながら、複数の表現手法を使ったアニメーション自体には好意的です。

「新しいヒーロー映画」として見ると楽しめるという声

原案を忠実に再現する作品ではなく、現代的な変身ヒーロー映画として見ると評価が変わる人もいます。

故郷を失い、一度は戦う力を失った少女が、新しい仲間と出会い、自分の意思で立ち上がる。

ストーリーそのものは王道ですが、そのストレートさを楽しめたという感想もあります。

原案をコピーしなかったこと自体を評価する見方もある

70年以上前の『リボンの騎士』をそのまま再現するのではなく、「今の時代に新しいヒーローを作る」という考え方を評価する声もあります。

設定を受け継ぐのではなく、原案が当時与えた新鮮さそのものを現代でもう一度作ろうとした――と考えると、大胆な変更にも一つの理由が見えてきます。

サーヤ・にじさんじ3人の声優はどうだった?

本作では、サーヤさんだけでなく、にじさんじ所属の月ノ美兎さん、ルンルン、でびでび・でびるも出演しています。

キャラクター 声優
サファイア サーヤ(ラランド)
パイン 小林星蘭
ベルベット 内山昂輝
ジルコ 新谷真弓
ロック 細谷佳正
ヘケート 月ノ美兎
チョロギ 手塚祐介
チック ルンルン
タック でびでび・でびる
教皇 壤晴彦

月ノ美兎のヘケートは原案との接点が強い

にじさんじ3人の中で特に原案との関係が深いのが、月ノ美兎さん演じるヘケートです。

ヘケートという名前自体が『リボンの騎士』に登場します。

月ノ美兎さんも原案を読んで役に臨んでおり、五十嵐監督自身も原案でヘケートが好きなキャラクターだったと明かしています。

新作では設定こそ変わっていますが、原案との小さな橋渡しを担う人物として見ることもできます。

ルンルンとでびでび・でびるは双子のチック&タック

ルンルンがチック、でびでび・でびるがタックを演じます。

2人は双子で、採掘場でサファイアと行動する仲間です。

原案の「チンク」と名前が似ていますが、天使チンクをそのまま置き換えた人物ではありません。

にじさんじ3人については、サーヤさんほど声優起用そのものへの批判が集中しているわけではなく、それぞれのキャラクターに合っていたという反応も見られます。

ここから結末ネタバレ|ネルガルとの最終決戦

ここから映画本編の結末に触れます。

『リボンヒーロー』の終盤では、サファイアが自分を苦しめ続けてきたネルガルと改めて向き合うことになります。

重要なのは、単純に「巨大な怪物を倒して終わり」というだけの物語ではないことです。

ネルガルはサファイアにとって、シルバーランドを奪い、大切な人々を失わせた存在。

その恐怖を抱えたまま戦っていた前半と、自分自身の過去を受け止めた後の終盤では、サファイアのネルガルへの向き合い方も変わります。

最終決戦では、それまでの重い空気から一転してコミカルな演出も入ります。

唐突に感じる場面ですが、五十嵐監督によれば、サファイアがトラウマを乗り越え、恐怖を自分の中で客観視できるようになったことを示す狙いがありました。

つまり、戦闘の雰囲気が変わったこと自体がサファイアの成長を表しているわけです。

ラストで飛んでいくリボンの意味は?

映画の最後には、これまでサファイアを導いてきたリボンが、彼女のもとを離れるような余韻のある描写があります。

このリボンについて、映画の中ですべてが言葉で説明されるわけではありません。

そのため、いくつかの読み方ができます。

サファイアが「力に選ばれる側」から卒業した

一つは、サファイアがもうリボンに導かれなくても、自分自身の意思でヒーローとして生きられるようになったという読み方です。

物語の冒頭では、サファイアは故郷を失ったトラウマに縛られています。

しかし最後には、「誰かに決められた自分」ではなく、自分自身でどう生きるかを選べるようになります。

リボンが離れていくことは、その成長の完了を示しているとも考えられます。

次の「リボンの騎士」へつながる可能性

もう一つ考えられるのが、リボンが別の時代や別の誰かへ向かっていくという意味です。

五十嵐監督は、映画の最後を世界がさらに広がる余地を残した形にしたと説明しています。

続編を自分だけのシリーズとして占有するのではなく、別のクリエイターが新しい『リボンの騎士』を作ることも含めて広がってほしいという考えも明かしています。

そう考えると、最後のリボンは「サファイアだけのヒーローの力」というより、時代を越えて別の物語へ受け継がれていく『リボンの騎士』そのものを表しているようにも見えます。

なぜ最後に宝塚の実写映像が出てくる?

ラストで突然、現実の宝塚を思わせる実写映像が入ることにも驚いた人が多いでしょう。

これは『リボンの騎士』と宝塚の関係を知ると意味が見えてきます。

手塚治虫は兵庫県宝塚で育ち、幼少期から宝塚歌劇に親しんでいました。

男役も女役も女性が演じる宝塚の舞台は、男装の王女サファイヤを描いた『リボンの騎士』を考えるうえでも重要なルーツの一つです。

五十嵐監督も、『リボンの騎士』だけではなく、その背景にある宝塚歌劇や小林一三への敬意を作品へ込めたと語っています。

そのため最後の実写は、単に奇抜な映像を入れたというより、新しい『リボンヒーロー』から、作品の源流である現実の宝塚へ視線を戻す演出と考えることができます。

ただし、劇中で宝塚とのつながりが十分に説明されているわけではありません。

原案との関係を知らない視聴者には、「最後に突然なぜ宝塚?」と感じられた可能性があります。

意図を知れば納得できる一方、作品単体でその意味が十分伝わったかどうかは、評価が分かれるところです。

「誰かの望む私じゃ嫌だ」は原案と新作をつなぐ言葉

『リボンヒーロー』を原案とつなぐものとして最も分かりやすいのが、

「誰かの望む私じゃ嫌だ」

というキャッチコピーです。

手塚版のサファイヤは、王国の事情によって「王子」として生きることを求められました。

Netflix版のサファイアには、その男装設定はありません。

それでも、故郷の喪失や周囲の仕組みに人生を決められるのではなく、「自分がどう生きるか」を自分で選ぼうとします。

細かな設定はほとんど別物になっても、周囲から与えられた役割だけで人生を決めないという部分に、制作側が考えた『リボンの騎士』との接点があります。

ここを原案の精神を受け継いだと見るか、原案の重要なテーマを薄めたと見るか。

その違いこそが、『リボンヒーロー』の評価が大きく割れている理由の一つでしょう。

『リボンヒーロー』は子どもと見られる?Netflixは13+

Netflix日本版での年齢区分は13+です。

かわいらしいリボンや変身ヒーローのビジュアルから小さな子ども向けを想像するかもしれませんが、内容は少し重めです。

  • 王国の壊滅
  • 大切な人を失う描写
  • 巨大なネルガルとの戦闘
  • 犠牲を前提にした社会の仕組み
  • サファイアのトラウマ
  • 死を伴う場面

といった内容があります。

過激な残酷描写を売りにした作品ではありませんが、明るい変身ヒロイン作品だけを期待すると雰囲気の違いを感じるかもしれません。

監督・制作スタッフ

監督 五十嵐祐貴
原案 手塚治虫『リボンの騎士』より
脚本協力 香村純子
キャラクター原案 望月けい
キャラクター原案協力 米山舞
アニメーションキャラクターデザイン 新垣一成
ネルガルデザイン okama
音楽 神前暁、髙田龍一
製作 ツインエンジン
制作 OUTLINE

五十嵐祐貴監督にとって、本作は初の長編監督作品です。

映像やアクションへの評価が高い一方で、ストーリーや原案からの変更について厳しい声が出ている点も含め、監督がどの方向に『リボンの騎士』を再構築しようとしたのかが強く表れた作品と言えます。

主題歌はGirls Archives.「Reborn」

主題歌はGirls Archives.の「Reborn」です。

タイトル通り「再生」を思わせる曲で、故郷を失ったサファイアが新たな仲間と出会い、再び立ち上がる物語とも重なります。

原案をそのまま再現するのではなく、『リボンの騎士』を別のヒーローとして「生まれ変わらせる」という作品そのものにも重なるタイトルです。

『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』公式予告

『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』第3弾予告

『リボンヒーロー』のよくある質問

『リボンヒーロー』は『リボンの騎士』のリメイク?

ストーリーをそのまま再現するリメイクではありません。

公式には手塚治虫『リボンの騎士』を「原案」とする新作アニメ映画です。

手塚治虫版と一番違うところは?

原案のサファイヤが「男の子と女の子、二つの心」を持ち、女性であることを隠して王子として育てられる設定が、新作では物語の中心ではなくなったことです。

Netflix版は、ネルガルに故郷を滅ぼされた王女が変身ヒーローとして再び立ち上がる物語になっています。

『リボンヒーロー』の評価は低い?

2026年8月11日に確認したFilmarksでは平均2.6で、低~中評価が目立ちます。

ただし映像、作画、キャラクターデザインを評価する意見も多く、「すべてが悪い」という評価ではありません。

なぜ評価が分かれている?

原案との違いが大きいこと、ストーリーや人物描写への不満、サーヤさんの声優起用、終盤の急激なトーン変化などが主な理由として挙げられています。

一方で、大胆な再構築や映像表現を評価する人もいます。

チックは原案のチンク?

別のキャラクターです。

原案のチンクは天使ですが、新作のチックは採掘場で働く仲間で、タックとは双子です。

月ノ美兎が演じるヘケートは原案にもいる?

ヘケートという名前のキャラクターは原案にも登場します。

ただし原案では悪魔メフィストの娘。新作ではサファイアの仲間として登場するため、設定は大きく変わっています。

なぜラストに宝塚が出てくる?

『リボンの騎士』と手塚治虫にとって、宝塚歌劇は重要なルーツの一つです。

新作でも五十嵐監督が宝塚への敬意を明言しており、ラストの実写映像は新しい作品から『リボンの騎士』の原点へ戻る演出と考えられます。

『リボンヒーロー』の続編はある?

2026年8月11日時点で続編制作は正式発表されていません。

ただし五十嵐監督は、物語の世界がさらに広がる余地を意識した終わり方にしたと明かしています。

まとめ

Netflix映画『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』と手塚治虫『リボンの騎士』は、主人公の名前やリボン、剣、王国といったモチーフこそ共通していますが、ストーリーはかなり異なります。

特に大きいのは、原案の核だった「男と女、二つの心」「王子として育てられる王女」「天使チンク」「フランツ王子との恋愛」が新作では中心ではなくなったことです。

代わりに描かれるのは、故郷を失ったサファイアがトラウマを乗り越え、自分自身の意思で誰かを守るヒーローになる物語です。

その大胆な変更が、『リボンヒーロー』最大の特徴であると同時に、評価が大きく割れた理由にもなっています。

原案ファンから見れば、「『リボンの騎士』の最も重要な部分を外してしまった」と感じる作品。

一方で、設定をコピーせず「自分の生き方を自分で選ぶ」という精神を新しいヒーロー像へ置き換えた作品と見ることもできます。

Filmarksでは配信直後から低めの評価が目立ちますが、作画、色彩、キャラクターデザイン、アクションなど映像面への評価は高く、一方向だけで語りにくい作品です。

『リボンの騎士』を現代へそのまま蘇らせた映画ではなく、「リボンの騎士とは何だったのか」を別の形で問い直そうとした作品として見ると、なぜここまで変えたのか、そしてなぜ賛否が分かれたのかも見えやすくなります。


参考

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