『ストレンジャー・シングス』シーズン3楽曲・挿入歌・使用場面・サントラガイド

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挿入歌・使用場面・意味をエピソード別に解説【シーズン4以降ネタバレなし】

Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3の音楽は、シリーズの中でもひときわ派手です。シーズン1と2が“80年代の空気”をじわっとまとっていたとすれば、シーズン3はそこからさらに一歩進んで、“1985年のポップカルチャーそのもの”を前面に押し出してきます。

スターコート・モール、夏休み、ネオン、アイスクリーム、花火、若者たちの恋愛。画面が明るくなったぶん、音楽もずっとキャッチーで、親しみやすくて、耳に残るものが増えました。けれど、このシーズンで鳴る曲は、ただ夏っぽくて気持ちいいだけではありません。軽やかなポップソングが流れているのに、画面の裏ではかなり気味の悪いことが起きている。その落差こそが、シーズン3の音楽の面白さです。

この記事では、シーズン3で使われた楽曲をエピソード別に整理し、どんな場面で印象に残るのか、そしてその曲がどんな意味を持っていたのかを振り返っていきます。シーズン4以降の情報は混ぜず、シーズン3だけで読める楽曲ガイドとしてまとめました。

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『ストレンジャー・シングス』シーズン3の音楽が特別な理由

シーズン3の選曲は、とにかく“夏”です。しかもただの夏ではなく、ショッピングモール文化が全開だった1980年代半ばの夏。ポップで、派手で、少し軽薄で、でもたまらなく楽しい。今回の音楽は、ホーキンスの新しい顔――つまりスターコート・モールの顔――を、そのまま音にしたようなところがあります。

一方で、今シーズンの恐怖は、暗い場所だけで起きるわけではありません。むしろ明るくて、開放的で、音楽が気持ちよく鳴っている場所ほど嫌なことが起きる。その意味でシーズン3の楽曲は、恐怖を薄めるためではなく、むしろ不穏さを際立たせるために使われています。

第1話「Suzie, Do You Copy?」の楽曲

The Cars「Moving in Stereo」

流れる場面: シーズン3の幕開けらしい、少し艶っぽくて気だるい夏の空気を感じさせる場面で印象に残る一曲です。

この曲の役割:
The Cars は、ニューウェーブ寄りの冷たさとポップさを同時に持ったバンドで、「Moving in Stereo」もその魅力がよく出ています。シーズン3冒頭は、恋愛の気配や思春期の距離感がこれまで以上に前に出ますが、この曲はそうした“ちょっと大人びた夏”の感じにぴったりです。気持ちよく流れるのに、どこか薄く不安が差しているところが、今回のホーキンスによく似合っています。

“夏休み感”そのものが音で強くなる

第1話からすでに、これまでの秋や冬のホーキンスとは違う空気があります。軽くて、明るくて、浮かれていて、でもどこか不穏。シーズン3はこの“楽しいのに怖い”感じを、最初から音でかなりはっきり出しています。

第2話「The Mall Rats」の楽曲

Madonna「Material Girl」

流れる場面: マックスとイレブンがモールで過ごす場面の、シーズン3を代表する一曲です。

この曲の役割:
この場面はシーズン3の象徴みたいなものです。イレブンが“誰かの秘密兵器”ではなく、普通のティーンエイジャーのように買い物を楽しむ。その自由さを、一気に1980年代のポップ感で包み込むのが「Material Girl」です。1984年の大ヒット曲で、マドンナを“時代の顔”として決定づけた代表曲のひとつでもあります。歌詞の軽やかさと、消費文化をまとったキラキラ感が、スターコート・モールの世界観とほとんど一体化しています。

Foreigner「Cold As Ice」

流れる場面: スクープス・アホイまわりの軽さや、スティーブのコミカルな立ち位置を補強するような印象を残します。

この曲の役割:
Foreigner は70年代後半から80年代にかけてアメリカのFMロックを支えたバンドで、「Cold As Ice」は彼らの初期代表曲です。タイトルどおり、少し皮肉っぽくて、クールで、相手との距離を感じさせる歌。シーズン3のスティーブは、かつての人気者ポジションから少し外れた場所にいて、その微妙な温度感がこの曲とよく合います。派手すぎず、でも耳に残る。この“ちょっと大人のポップ感”も、モール時代の空気をうまく支えています。

第3話「The Case of the Missing Lifeguard」の楽曲

The Pointer Sisters「Neutron Dance」

流れる場面: 勢いよく調査が進んでいく感じと、80年代映画らしい推進力を一気に与える一曲です。

この曲の役割:
「Neutron Dance」は、タイトルからして少し変で、でもとにかく前へ進む力が強い曲です。The Pointer Sisters は、R&B、ポップ、ダンスの境界を軽やかに越えるグループで、この曲も80年代的な高揚感がとても強い。シーズン3前半は、まだホラーのど真ん中というより“夏の調査アドベンチャー”の面白さも残っていますが、その空気にこの曲はかなりよく合っています。元気で、派手で、でも少し不穏さも感じさせる、シーズン3らしい選曲です。

第4話「The Sauna Test」の楽曲

The Who「Baba O’Riley」

流れる場面: 勢い、友情、無茶、若さがまとめてぶつかってくるような場面に似合う一曲です。

この曲の役割:
ロック史に残る有名曲ですが、『ストレンジャー・シングス』で鳴ると、単なる名曲以上の意味を持ちます。イントロのシンセは少し未来っぽく、バンド演奏に入ると一気に青春の疾走感が出る。この二面性が、シーズン3の子どもたちの状態とよく重なります。もう無邪気な少年団ではないけれど、まだ無茶をして走ることはできる。そのギリギリの若さを、この曲がすごく気持ちよく押し出しています。

第5話「The Flayed」の楽曲

“明るい曲が流れているのに気持ち悪い”感覚が強まる

このあたりから、シーズン3の音楽のいちばん嫌なところが効いてきます。画面にはモールや町の日常が残っているのに、その裏では人がどんどん書き換えられていく。だから音楽の明るさが逆に怖いんです。

シーズン3の挿入歌は、ここから先“場面を盛り上げる曲”であると同時に、“見たくないものを包む曲”にもなっていきます。ポップソングで場面を軽くするのではなく、軽い音のまま嫌なものを見せる。その感覚がかなり独特です。

第6話「E Pluribus Unum」の楽曲

Corey Hart「Never Surrender」

流れる場面: シーズン3の熱量と、少し大げさなくらい真っすぐな80年代感を象徴する一曲です。

この曲の役割:
Corey Hart といえば「Sunglasses at Night」を思い出す人も多いですが、「Never Surrender」もまた彼を代表する大きな曲です。タイトルが示すとおり、徹底して“諦めるな”の歌で、メロディもサビもかなりドラマチック。シーズン3は、誰か一人が強ければいい話ではなく、みんなが持ち場で粘ることでようやく成立するシーズンなので、この曲のストレートさがよく効きます。少し青くさくて、でもその青さがかえって胸に来る。そういう80年代ポップロックの良さがそのまま出ています。

第7話「The Bite」の楽曲

“ポップさ”より“切迫感”が前に出てくる

第7話はイレブンの負傷もあり、ここまで続いていたシーズン3らしい軽快さがかなり剥がれ落ちます。音楽も、モールのきらびやかさを支える役割より、戦いの痛みや消耗感を支える役割が強くなります。

シーズン3後半の面白さは、ずっと明るく見えていた世界が、この段階でいよいよ保たなくなるところにあります。音楽もちゃんとその方向へ切り替わっていきます。だから前半のポップな曲の記憶が、ここでは逆に切なく響いてきます。

第8話「The Battle of Starcourt」の楽曲

Limahl「Never Ending Story」

流れる場面: シーズン3で最も有名な楽曲場面のひとつです。

この曲の役割:
あの場面は、シーズン3のトーンをそのまま凝縮したような瞬間です。普通なら極限の緊張感だけで押し切るところに、あえてとんでもなくポップで可笑しい寄り道を差し込む。その大胆さが、シリーズの中でもかなり異色です。Limahl の「Never Ending Story」は1984年公開映画の主題歌として有名ですが、もともと“夢と冒険”の匂いが強い曲なので、ここで使われるとシーズン3の夏休み感とメタな遊び心が一気に前へ出ます。ふざけているようで、ちゃんと作品の気分には合っている。そこがこの選曲の面白さです。

Peter Gabriel「Heroes」再登場の重み

流れる場面: シリーズを見てきた人ほど強く響く、感情の整理に近い役割を持つ場面で印象に残ります。

この曲の役割:
シーズン1でも強い印象を残した Peter Gabriel 版「Heroes」が、シーズン3でまた違う重さを持って返ってくるのが本当にうまいです。もともとこの曲は、希望と痛みが同居したような響きを持っていますが、シリーズをここまで見てきたあとだと、その混ざり方がさらに深く聞こえます。懐かしさだけではなく、積み上げられてきた喪失感と、それでも前を向こうとする感情まで引き受ける。シーズン3終盤の余韻を、かなり強く支えている一曲です。

シーズン3で特に重要な音楽モチーフ

1. モール文化の音

シーズン3をシーズン3らしくしている最大の要素のひとつが、“モールの音”です。派手で、キャッチーで、少し軽薄で、でもすごく楽しい。スターコート・モールが舞台の中心である以上、音楽もまた“消費文化のきらめき”を前に出しています。

2. ポップさとグロさの落差

今回の怖さは、暗い画面の中だけで起きるわけではありません。むしろ明るい場面、カラフルな場面、音楽が気持ちよく鳴っている場面のほうが怖いことすらある。この落差はシーズン3の大きな特徴です。

3. シリーズでいちばん“遊ぶ”音楽の使い方

シーズン3は、シリーズの中でも音楽の遊び方がいちばん大胆です。エモさだけにも、怖さだけにも寄らず、ポップカルチャーの楽しさそのものを武器にしています。そのぶん、終盤で感情に振れたときの効き方も強くなります。

まとめ:シーズン3は“音楽ごとポップになったホラー”だった

『ストレンジャー・シングス』シーズン3の楽曲は、シリーズの中でもかなり印象が強いです。モール文化、恋愛、コメディ、ホラー、グロテスクさ、そして喪失感まで、全部を音で支えているからです。

とくにシーズン3は、音楽の明るさがそのまま作品の魅力になっている一方で、その明るさが恐怖を増幅する装置にもなっています。だから見返してみると、ただの懐メロプレイリストではなく、かなり緻密に作られた音のドラマだと分かります。

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