映画『ラストマイル』は、ブラックフライデー前夜に巨大ECサイトから発送された荷物が突然爆発し、日本中の物流網を巻き込む連続爆破事件へ発展していくサスペンス映画です。
2024年8月23日に劇場公開され、満島ひかり演じる舟渡エレナと岡田将生演じる梨本孔を中心に、事件の犯人だけでなく、私たちの生活を支える物流システムと、その裏側で働く人々の姿まで描かれました。
さらに2026年8月29日からNetflixでの配信も予定されており、あらためて作品を見る人も増えそうです。
本作を見終えたあと、特に分かりにくいのが次のポイントではないでしょうか。
- 連続爆破事件の犯人は誰だったのか
- 山崎佑はなぜベルトコンベアへ飛び降りたのか
- ロッカーに書かれた「2.7m/s→0」「70kg」の意味
- 筧まりかはなぜ爆弾を仕掛けたのか
- 爆弾は結局何個あったのか
- 最後に残った爆弾はどうなったのか
- エレナはなぜ山崎のことを知っていたのか
- 『アンナチュラル』『MIU404』とどうつながっているのか
- 最後の「What do you want?」には何が込められているのか
先に結論を言うと、連続爆破事件を計画・実行した中心人物は、山崎佑の恋人だった筧まりかです。
ただし『ラストマイル』は、「犯人=筧まりか」と分かっただけでは終わりません。
事件の出発点には、5年前に物流センターで追い詰められ、ベルトコンベアへ飛び降りた山崎佑がいました。
そしてロッカーに残された「2.7m/s→0」という文字こそ、本作が最後まで問い続ける「止められないシステム」の象徴です。
この記事では、『ラストマイル』の事件を最初から最後まで整理しながら、犯人、爆弾、山崎のロッカー、ラストシーンまで詳しく解説します。
ここから先は映画『ラストマイル』の結末まで含む重大なネタバレがあります。
- 『ラストマイル』犯人・結末を先に確認
- 『ラストマイル』は2026年8月29日からNetflixでも配信予定
- 映画『ラストマイル』公式予告
- 『ラストマイル』基本情報
- 『ラストマイル』主要キャスト
- ネタバレなしのあらすじ
- 犯人は筧まりか|連続爆破事件の真相
- 筧まりかはなぜ爆破事件を起こした?犯行動機
- 山崎佑とは誰?なぜベルトコンベアへ飛び降りた?
- ロッカーの「2.7m/s→0・70kg」の意味
- 山崎の「馬鹿なことをした」の意味
- 「知りたかったことはロッカーの中にあった」の意味
- 舟渡エレナは犯人?なぜ山崎を知っていた?
- 五十嵐は悪人?山崎を追い詰めた人物なのか
- 爆弾はどうやって物流センターへ入った?
- 爆弾は12個?13個?「1ダース」の意味を整理
- 最初の爆死者の正体は筧まりかだった
- 最後の爆弾はどこにあった?
- 最後の爆弾と洗濯機|佐野親子が被害を防いだ理由
- 『アンナチュラル』とのつながり|UDIラボが犯人特定に貢献
- 『MIU404』とのつながり|伊吹と志摩も捜査に参加
- 『アンナチュラル』『MIU404』を見てなくても大丈夫?
- 公式シェアード・ユニバースPV
- エレナは最後どうなった?
- 梨本孔は最後どうなった?次の山崎になる?
- 最後の「What do you want?」の意味
- タイトル『ラストマイル』の意味
- 米津玄師「がらくた」と映画の意味
- 『ラストマイル』は実話?原作はある?
- 『ラストマイル』よくある質問
- Netflixでサスペンス映画を探している人へ
- まとめ|犯人は筧まりか、しかし本当に問われているのは「誰が人を壊したのか」
『ラストマイル』犯人・結末を先に確認
| 疑問 | 結論 |
|---|---|
| 連続爆破事件の犯人 | 筧まりか |
| 筧まりかは誰? | 元デイリーファスト社員・山崎佑の恋人 |
| 爆弾を製作した人物 | 春日信二 |
| 事件の発端 | 5年前に山崎佑が物流センターで追い詰められ自殺未遂を起こしたこと |
| 山崎佑の現在 | 自殺未遂後、昏睡状態が続いている |
| 2.7m/s | 物流センターのベルトコンベアの速度 |
| 70kg | ベルトコンベアの荷重に関する数字 |
| 「→0」 | ラインを止めたいという山崎の意思を示すと考えられる |
| 爆弾の数 | 予告されたのは1ダース=12個 |
| 最初の爆死者 | 実は筧まりか本人 |
| 最後の爆弾 | すでに松本家へ配送されていた商品に入っていた |
| 最後の爆発 | 佐野親子が洗濯機を利用し、被害を最小限に抑える |
| 舟渡エレナ | 犯人ではない。以前まりかと接触しており、山崎の事件を知っていた |
| ラスト | 孔がセンター長となり、山崎のロッカーに残された言葉の意味を知る |
『ラストマイル』は2026年8月29日からNetflixでも配信予定
映画『ラストマイル』は、2026年8月29日からNetflixで配信予定です。
2026年8月28日時点ではNetflix公式の作品ページは公開されていますが、日本ではまだ再生できない状態になっています。
Netflixでの配信開始後は、劇場で見逃した人や『アンナチュラル』『MIU404』から本作を見たい人にとっても視聴しやすくなります。
映画『ラストマイル』公式予告
東宝MOVIEチャンネルでは、米津玄師の主題歌「がらくた」を使用した公式予告映像が公開されています。
予告でも「誰が、何のために爆弾を仕掛けたのか」「残りの爆弾は幾つで、今どこにあるのか」が作品最大の謎として提示されています。
『ラストマイル』基本情報
| 作品名 | ラストマイル |
|---|---|
| 劇場公開日 | 2024年8月23日 |
| 上映時間 | 128分 |
| 監督 | 塚原あゆ子 |
| 脚本 | 野木亜紀子 |
| 主演 | 満島ひかり、岡田将生 |
| 主題歌 | 米津玄師「がらくた」 |
| 制作 | TBSスパークル |
| 配給 | 東宝 |
| Netflix配信 | 2026年8月29日予定 |
『アンナチュラル』『MIU404』と同じ世界で起きた事件として描かれるシェアード・ユニバース作品でもあります。
『ラストマイル』主要キャスト
| 登場人物 | キャスト | 人物 |
|---|---|---|
| 舟渡エレナ | 満島ひかり | デイリーファスト西武蔵野ロジスティクスセンターの新センター長 |
| 梨本孔 | 岡田将生 | チームマネージャー。エレナと事件対応にあたる |
| 五十嵐道元 | ディーン・フジオカ | デイリーファスト・ジャパン統括本部長 |
| 山崎佑 | 中村倫也 | 西武蔵野LCの元チームマネージャー |
| 筧まりか | 仁村紗和 | 山崎の恋人。連続爆破事件の中心人物 |
| 八木竜平 | 阿部サダヲ | 羊急便の関東局局長 |
| 佐野昭 | 火野正平 | 個人配送業者・佐野運送を営む |
| 佐野亘 | 宇野祥平 | 佐野昭の息子 |
| 松本里帆 | 安藤玉恵 | 2人の娘を育てる母親 |
| 春日信二 | 宮崎吐夢 | まりかから依頼され爆弾を製作した人物 |
ネタバレなしのあらすじ
11月、ブラックフライデーを目前に控えた巨大ECサイト「DAILY FAST」の西武蔵野ロジスティクスセンター。
新センター長として着任した舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔とともに、一年で最も忙しいブラックフライデーの準備を進めていました。
ところが、西武蔵野センターから配送された商品が、届け先で突然爆発します。
さらに別の商品でも爆発事件が発生。
やがてSNS上では「1ダースの爆弾」を仕掛けたことを示す映像が見つかり、日本中の物流網が混乱していきます。
爆弾がどの商品に入っているのか分からない。
しかし物流をすべて停止すれば、医療用品をはじめ、社会に必要な荷物まで届かなくなります。
エレナと孔は「止められない物流」を動かしながら、爆弾を探すという極めて難しい判断を迫られます。
犯人は筧まりか|連続爆破事件の真相
連続爆破事件を計画した中心人物は、筧まりかです。
まりかは、西武蔵野ロジスティクスセンターで働いていた山崎佑の恋人でした。
山崎は5年前、ブラックフライデーを前にした物流センターで極度の重圧に追い詰められ、ベルトコンベアへ飛び降ります。
一命は取り留めたものの、その後も昏睡状態が続いていました。
まりかは山崎が個人的な弱さから壊れたのではなく、効率と数字を最優先する巨大な物流システムによって追い詰められたと考えます。
そしてその問題を世の中へ突きつけるため、デイリーファストから配送される商品へ爆弾を仕込みました。
まりか自身が爆弾を製造したわけではありません。
爆弾を製作したのは春日信二という男性です。
まりかは春日と匿名で接触し、12個の爆弾を用意させました。
しかし事件の計画、爆弾を商品へ混入する仕組み、犯行予告などを組み立てた中心人物はまりかです。
筧まりかはなぜ爆破事件を起こした?犯行動機
まりかの最大の動機は、山崎を追い詰めたデイリーファストと、その背後にある社会への怒りです。
山崎が飛び降りたあと、会社は山崎の事件をなかったことのように扱います。
社員が一人壊れても、物流ラインは止まらない。
別の人間がその穴を埋め、ブラックフライデーも翌年またやって来ます。
まりかが問うていたのは、「個人が罪を犯せば罰せられるのに、システムや社会が人を追い詰めた場合、誰が責任を取るのか」という問題でした。
もちろん、多くの無関係な人を危険へ巻き込む爆破事件は正当化できません。
しかし映画は、まりかを単純な「復讐に狂った犯人」として片づけるのではなく、彼女がそこまで追い詰められるまで誰も問題を止めなかったことにも目を向けています。
山崎佑とは誰?なぜベルトコンベアへ飛び降りた?
山崎佑は、5年前に西武蔵野ロジスティクスセンターでチームマネージャーを務めていた人物です。
現在の梨本孔と非常に近い立場にいました。
ブラックフライデーが近づくにつれて要求される稼働率は上がり、センターには「とにかくラインを止めない」ことが求められます。
山崎は精神的に追い詰められ、ついに稼働中のベルトコンベアへ飛び降りました。
ここで重要なのは、山崎が単に「死にたかった」とだけ見ると、ロッカーの文字の意味が見えなくなることです。
山崎はベルトコンベアそのものを止めようとしていたと考えられます。
ロッカーの「2.7m/s→0・70kg」の意味
映画冒頭から登場する重要な伏線が、ロッカー内部に残された、
「2.7m/s→0」
「70kg」
という文字です。
このロッカーは以前、山崎が使用していました。
2.7m/sはベルトコンベアの速度
「2.7m/s」は、物流センターを流れるベルトコンベアの速度を示しています。
巨大物流センターでは大量の商品が止まることなく流れていきます。
そこで働く人間も、その速度と効率へ合わせることを要求されます。
70kgはベルトコンベアの荷重に関係する数字
「70kg」はベルトコンベアが扱う荷重に関係する数字です。
そして山崎は、自分自身の身体をベルトコンベアへ投じます。
商品を流すために設計されたシステムへ「人間」を載せることで、強制的にラインを止めようとしたわけです。
「→0」は何を意味する?
もっとも重要なのが「→0」です。
2.7m/sで流れ続けるベルトコンベアを、0m/s=停止させる。
これがもっとも自然な読み方です。
山崎が止めたかったのは、単なる一台のベルトコンベアだけではありません。
人が壊れても動き続けるシステムそのものだったとも考えられます。
山崎の「馬鹿なことをした」の意味
山崎はベルトコンベアへ飛び降り、一時的にはラインを止めます。
しかしセンターはそのままずっと停止したわけではありません。
山崎が搬送されたあと、物流システムは再び動き出します。
山崎はその現実を知り、「馬鹿なことをした」という趣旨の言葉を残します。
自分が命を投げ出しても、巨大な物流網は止まらなかった。
一人の労働者が壊れても、代わりの人間が入り、翌日も荷物は届けられる。
この絶望が「2.7m/s→0」の文字とつながっています。
「知りたかったことはロッカーの中にあった」の意味
エレナは終盤、山崎が使っていたロッカーを見ながら、まりかが本当に知りたかったものはここにあったのではないかと考えます。
まりかは山崎を追い詰めた原因を探し続けました。
会社なのか。
五十嵐なのか。
自分なのか。
社会そのものなのか。
しかし山崎が残した「2.7m/s→0」を見れば、彼自身が何を止めたかったのかを直接知ることができました。
まりかがそれを事件前に知っていたら、爆破という別の形で社会を止めようとはしなかったかもしれない。
同時にこの言葉は、山崎と同じように仕事の重圧で一度壊れかけたエレナ自身にも向けられています。
舟渡エレナは犯人?なぜ山崎を知っていた?
物語中盤では、舟渡エレナにもかなり怪しい描写があります。
- 日本支社での在籍情報が見つからない
- 山崎のデータを削除している
- 事件について何かを知っているように見える
- 怪しい情報をすぐ警察へ伝えない
そのため「エレナが黒幕なのでは?」と思わせる展開になっています。
しかしエレナは連続爆破事件の犯人ではありません。
エレナはアメリカ本社で働いていた時期に、山崎の恋人だった筧まりかから接触を受けています。
まりかは山崎が追い詰められた件について会社へ訴えようとしていました。
つまりエレナは今回の事件が起きる以前から、山崎とまりかの存在を知っていました。
さらにエレナ自身も仕事の重圧によって不眠などに苦しみ、休職した経験があります。
だからこそ山崎の問題を完全に他人事として見ることができません。
五十嵐は悪人?山崎を追い詰めた人物なのか
ディーン・フジオカ演じる五十嵐道元は、デイリーファスト・ジャパンの統括本部長です。
五十嵐はブラックフライデーでも高い稼働率を維持することを最優先し、物流センターへ強いプレッシャーをかけます。
5年前の山崎に対しても、「ラインを止めない」ことを求める側にいました。
そのため山崎を直接追い詰めた人物の一人と見ることはできます。
ただし『ラストマイル』が描いているのは、「五十嵐一人を倒せば問題解決」という話ではありません。
五十嵐にもさらに上の本社があり、会社には売上目標があり、消費者は安く早く商品が届くことを求めています。
責任が何層にも分散していることこそ、本作の怖さです。
爆弾はどうやって物流センターへ入った?
まりかは物流センターの仕組みを知っていました。
爆弾が仕込まれたのは、ブラックフライデーの目玉商品など、確実に大量注文が入る商品です。
まりかは商品を事前に用意し、そこへ爆弾を仕込んだうえで、出品者の商品をデイリーファストの倉庫から発送してもらえる物流代行の仕組みを利用します。
さらにまりか自身も派遣社員として物流センターへ入り込み、商品の表示を操作。
爆弾入りの商品を通常の商品と見分けられない状態にしました。
つまり犯行の恐ろしいところは、物流センターへ外部から直接爆弾を持ち込んだというより、デイリーファスト自身の物流システムを利用して爆弾を全国へ配送させたことにあります。
爆弾は12個?13個?「1ダース」の意味を整理
作中の犯行予告では、爆弾は1ダースと示されます。
1ダース=12個です。
また爆弾を製作した春日の証言からも、12個の爆弾が用意されたことが分かります。
ただし、この数は映画を見ているとかなり混乱します。
理由の一つが、12個のうち1個が正常に作動しにくい爆弾だったこと。
さらに最初の爆発、警察が処理した爆弾、まだ配送中の商品、すでに購入者へ届いた商品が同時進行で存在するためです。
重要なのは、「謎の13個目の爆弾」が突然追加されたわけではないという点です。
最後まで残っていた1個も、まりかが用意した「1ダース」の中に含まれる爆弾です。
最初の爆死者の正体は筧まりかだった
連続爆破事件の最初の犠牲者は、当初は男性だと考えられていました。
しかし『アンナチュラル』のUDIラボによる解剖で、不自然な点が見つかります。
さらに身元確認が進み、死亡していたのは筧まりか本人だったことが判明します。
まりかは別人の身元を利用して部屋を借り、最初の爆発によって自ら死亡。
自分自身を事件最初の犠牲者にすることで、犯人がまだどこかにいるように見せていました。
ここで『アンナチュラル』チームが単なるゲスト出演ではなく、事件解決に必要な役割を果たします。
最後の爆弾はどこにあった?
筧まりかの正体が判明し、爆弾が仕込まれた商品も特定されていきます。
しかし、どうしても最後の1個が見つかりません。
原因は、その商品がすでに購入者へ配送されていたためです。
最後の爆弾入り商品が届いていたのが、松本里帆と2人の娘が暮らす家でした。
末娘の七海が母親へのプレゼントとして用意した商品に、爆弾が仕掛けられていました。
最後の爆弾と洗濯機|佐野親子が被害を防いだ理由
最後の爆弾に気付いたのは、配送を担当していた佐野昭・亘親子です。
爆発まで時間がなく、専門の爆発物処理班を待てない状況。
そこで佐野亘は、家にあった古い洗濯機へ爆弾入りの商品を入れます。
この洗濯機は、単なる頑丈な家電ではありません。
亘が以前勤めていた電機メーカーの製品でした。
亘は自分たちが作っていた製品の丈夫さを知っていたからこそ、洗濯機へ爆発物を入れるという判断ができました。
結果として爆発そのものは起きますが、洗濯機が爆風を受け止め、家族や佐野親子への被害を大きく抑えます。
大量生産・効率化の競争に敗れて消えていったメーカーの製品が、最後に人の命を守る。
ここは『ラストマイル』の労働に対する視線が非常によく表れた場面です。
『アンナチュラル』とのつながり|UDIラボが犯人特定に貢献
『ラストマイル』は『アンナチュラル』と同じ世界で起きています。
UDIラボからは、
- 三澄ミコト
- 中堂系
- 東海林夕子
- 坂本誠
- 神倉保夫
らが登場。
さらに元UDIアルバイトの久部六郎は、東央医大の研修医として登場します。
UDIラボは連続爆破事件で死亡した人物を解剖し、「男性だと思われていた遺体が実は別人なのではないか」という重要な手がかりを発見します。
これが筧まりかの正体へつながります。
つまり『アンナチュラル』勢はファンサービスで顔を見せるだけではなく、法医学という本来の仕事によって事件解決へ参加しています。
『MIU404』とのつながり|伊吹と志摩も捜査に参加
『MIU404』の第4機動捜査隊も、連続爆破事件の捜査に参加します。
伊吹藍と志摩一未は、山崎の過去を追う過程などで登場します。
ほかにも陣馬耕平、勝俣奏太、糸巻貴志、桔梗ゆづるらが、それぞれ現在の立場で事件に関わります。
『アンナチュラル』の毛利忠治と『MIU404』の刈谷貴教が組んで捜査を行うのも、シェアード・ユニバースならではです。
塚原あゆ子監督も、過去作品のキャラクターを無理に集合させるのではなく、爆破事件が起きれば機捜が動き、死亡者が出ればUDIラボが関わるという、それぞれの職業と役割に沿った形で登場させたと説明しています。
『アンナチュラル』『MIU404』を見てなくても大丈夫?
『ラストマイル』単体でもストーリーは理解できます。
連続爆破事件そのものは『ラストマイル』の中で始まり、映画内で決着します。
ただし『アンナチュラル』『MIU404』を見ていると、登場人物がその後どう生きているのかまで分かるため、楽しさはかなり増します。
特に久部六郎や勝俣奏太など、過去作から時間が経って立場が変わった人物の成長は、シリーズを知っている人ほど印象に残るでしょう。
公式シェアード・ユニバースPV
東宝MOVIEチャンネルでは、『ラストマイル』『アンナチュラル』『MIU404』のつながりをまとめた公式PVも公開されています。
エレナは最後どうなった?
事件の中でエレナは、会社の方針よりも安全を優先する判断を重ねていきます。
さらに羊急便の八木たちへ働きかけ、物流を止めるためのストライキへつながっていきます。
結果としてエレナはデイリーファストを去ることになります。
しかし彼女の表情は、単純に「会社をクビになって失敗した人」のものではありません。
自分自身も一度仕事に壊されかけたエレナが、最後には数字ではなく人間を優先する選択をしたとも読めます。
梨本孔は最後どうなった?次の山崎になる?
エレナが去ったあと、西武蔵野ロジスティクスセンターを引き継ぐのは梨本孔です。
そして孔が使うことになったのが、かつて山崎が使用していたロッカー。
そこで孔は「2.7m/s→0」「70kg」という文字の意味に気付きます。
このラストはかなり不穏です。
山崎がいなくなっても、まりかが事件を起こしても、エレナが会社を去っても、物流センター自体は動き続けます。
そして今度は孔がセンター長として、そのシステムの中心に立ちます。
孔もまた山崎と同じ場所へ追い詰められるのか。
あるいは山崎の警告を知ったことで、別の道を選ぶことができるのか。
映画はその答えを明示しません。
最後の「What do you want?」の意味
物語の最後では、デイリーファストのサイトでも使われていた、
「What do you want?」
という言葉が再び響きます。
直訳すれば「何が欲しい?」です。
ECサイト側から見れば、消費者に商品を買わせるための言葉です。
しかし2時間以上にわたって物流の裏側を見たあとでは、その意味が変わって聞こえます。
私たちは何を求めているのか。
もっと安く。
もっと早く。
今日注文して明日届けてほしい。
その便利さの最後の1マイルを誰が支えているのか。
映画の最後で「What do you want?」をもう一度聞かせることで、作品は犯人ではなく、今度は観客側へ問いを向けています。
タイトル『ラストマイル』の意味
物流業界で「ラストマイル」とは、物流拠点から最終的な届け先である消費者まで荷物を運ぶ最後の区間を指す言葉です。
ネット通販がどれだけ巨大化しても、最後には誰かが荷物を持って一軒一軒届ける必要があります。
劇中では佐野親子のような個人配送業者が、巨大ECサイトと消費者の間をつないでいます。
つまり作品タイトルは単なる物流用語ではなく、巨大なシステムの最後を支えている「人間」に焦点を当てた言葉でもあります。
米津玄師「がらくた」と映画の意味
主題歌は米津玄師の「がらくた」です。
米津玄師は楽曲について、「壊れていても構わない」という趣旨の思いを込めたと説明しています。
この言葉は『ラストマイル』を見ると非常に重く響きます。
山崎は仕事によって壊れました。
まりかも山崎の事件をきっかけに壊れていきます。
エレナも一度仕事から離れています。
社会は人間に「壊れるまで働け」ではなく、壊れたら止まってもいいと言えるのか。
山崎が望んだ「→0」と、「壊れていても構わない」という主題歌の感覚は、対照的でありながら深くつながっています。
『ラストマイル』は実話?原作はある?
『ラストマイル』に原作小説はありません。
野木亜紀子によるオリジナル脚本です。
また特定の一つの事件をそのまま映画化した実話作品でもありません。
一方で、ネット通販の拡大、物流業界の人手不足、長時間労働、配送ドライバーの負担など、現実に存在する社会問題を強く反映した作品です。
だからこそ架空の「デイリーファスト」で起きる事件でありながら、見ている側に現実との距離の近さを感じさせます。
『ラストマイル』よくある質問
『ラストマイル』の犯人は誰ですか?
連続爆破事件を計画した中心人物は筧まりかです。山崎佑の恋人で、山崎を追い詰めた物流システムや社会へ問題を突きつけるため事件を起こしました。
爆弾を作ったのも筧まりかですか?
いいえ。爆弾を実際に製作したのは春日信二です。まりかが依頼し、12個の爆弾を入手しました。
山崎佑は死亡したのですか?
ベルトコンベアへ飛び降りた山崎は一命を取り留めていますが、5年後の本編でも昏睡状態が続いています。
「2.7m/s→0」とは何ですか?
2.7m/sは物流センターのベルトコンベアの速度です。「→0」は、その流れを止めたいという山崎の意思を示していると考えられます。
「70kg」の意味は?
ベルトコンベアの荷重に関する数字です。商品を運ぶための機械へ自分自身を投じた山崎の行動と結びついています。
山崎はなぜベルトコンベアへ飛び降りたのですか?
ブラックフライデーを前にした過酷な労働環境と「ラインを止められない」という重圧に追い詰められたためです。単なる自殺未遂ではなく、自分の身体を使ってラインそのものを停止させようとしたと読み取れます。
爆弾は全部で何個ですか?
犯行予告で示されたのは1ダース、つまり12個です。作中では1個が不調だったことや、すでに配送済みの爆弾があったことで数が分かりにくくなっています。
最初に死んだ男性は誰ですか?
当初は男性と考えられていましたが、UDIラボの解剖などによって、実際に死亡していたのは犯人の筧まりか本人だと判明します。
最後の爆弾はどうなりましたか?
すでに松本家へ届けられていました。佐野親子が気付き、爆弾入りの商品を古い洗濯機へ入れることで爆発による被害を最小限に抑えます。
舟渡エレナは犯人ですか?
犯人ではありません。アメリカ本社勤務時代に筧まりかと接触していたため、山崎の事件について以前から知っていました。
『アンナチュラル』『MIU404』を見ていないと分かりませんか?
『ラストマイル』単体でも事件は理解できます。ただし両作品を見ていると、UDIラボや第4機捜の登場人物の立場や成長まで楽しめます。
『ラストマイル』に原作はありますか?
原作小説はありません。野木亜紀子によるオリジナル脚本です。
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まとめ|犯人は筧まりか、しかし本当に問われているのは「誰が人を壊したのか」
映画『ラストマイル』の連続爆破事件を計画した中心人物は、山崎佑の恋人だった筧まりかです。
まりかは春日信二に12個の爆弾を作らせ、物流代行の仕組みと自らの物流センター勤務を利用して、爆弾入りの商品を通常の荷物に紛れ込ませました。
その動機の中心にいたのが、5年前にベルトコンベアへ飛び降りた山崎です。
山崎のロッカーに残された、
「2.7m/s→0」
「70kg」
という文字は、人間が壊れても止まらない物流システムを、自分の身体で止めようとした彼の意思を示していると考えられます。
しかし山崎が飛び降りてもラインは再び動き出しました。
まりかが爆破事件を起こしても、最終的には物流センターはまた稼働します。
そして最後には梨本孔が新しいセンター長となります。
だから『ラストマイル』の本当の問いは、「犯人は誰だったのか」だけではありません。
山崎を壊したのは五十嵐なのか。
会社なのか。
巨大ECサイトなのか。
安さと速さを求め続ける消費者なのか。
最後の「What do you want?」は、その答えを観客自身へ問い返しているようにも見えます。
2026年8月29日からはNetflixでも配信予定です。
劇場公開時に見逃した人はもちろん、一度見た人もロッカーの「2.7m/s→0」に注目して見返すと、最初とはかなり違った作品に見えてくるのではないでしょうか。

