挿入歌・使用場面・意味をエピソード別に解説しています!
【シーズン3以降ネタバレなし】
Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン2の音楽は、シーズン1以上に“1984年の空気”を強くまとっています。アーケード、ハロウィン、ゴーストバスターズ、郊外の思春期、ニューウェーブ、パンク、メタル、シンセ。シーズン2は、物語のスケールアップに合わせて音楽の色も大きく広がりました。
ただし、この作品の楽曲は単なる懐メロではありません。シーズン2の挿入歌は、楽しい80年代感を出すだけでなく、ウィルの不穏さ、イレブンの孤独、ホーキンスに広がる異常、そして新しい人間関係の揺れを感情面から支えています。
この記事では、シーズン2で使われた楽曲をエピソード別に整理し、わかる範囲でどんな場面で流れるのか、そしてその曲がどんな意味を持っているのかをまとめます。シーズン3以降の情報には触れず、シーズン2だけで読める楽曲ガイドとして整理しました。
『ストレンジャー・シングス』シーズン2の音楽が特別な理由
シーズン2の選曲は、シーズン1以上に分かりやすく1984年らしさを打ち出しています。アーケードで鳴る軽快な曲、ハロウィンの浮かれた曲、不良っぽさを感じさせる曲、少し陰のあるニューウェーブ。楽曲だけでも、シーズン2が“世界の広がった続編”であることが分かります。Netflix Tudum のシーズン別楽曲一覧でも、シーズン2には Devo「Whip It」、Duran Duran「Girls on Film」、Bon Jovi「Runaway」などが並んでいます。
その一方で、シーズン2の音楽のうまさは、明るい曲ほど不安を深めるところにあります。みんなが楽しそうに見える場面ほど、その裏でウィルの異変や町の侵食が進んでいる。つまりシーズン2の音楽は、“楽しい80年代”と“終わっていない恐怖”を同時に鳴らしているのです。
第1話「Madmax」の楽曲
Devo「Whip It」
流れる場面: アーケードで少年たちの日常が戻ってきたように見える冒頭の空気を代表する一曲です。
この曲の役割:
軽快で少し変なテンションを持つこの曲は、シーズン2が“元気な80年代ノリで始まる”ことを宣言するように響きます。ただし、それは完全に安心できる帰還ではありません。明るさの裏に、もう前みたいには戻れない感じがずっと残っています。公式YouTube上では DEVOvision と Warner Records Vault の両方で公式MVが公開されています。
The Romantics「Talking in Your Sleep」
流れる場面: 第1話の使用曲として印象に残る一曲です。
この曲の役割:
タイトルそのものが、ウィルの異変や“無意識のうちに何かとつながっている感じ”と相性のいい楽曲です。日常が戻ったように見えて、実際にはまだ脅威が続いているというシーズン2前半の空気をよく表しています。The Romantics の公式MVとして公開ページが確認できます。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}
Scorpions「Rock You Like a Hurricane」
流れる場面: シーズン2開幕の派手さを押し出すような印象を残す代表曲です。
この曲の役割:
直球の勢いと高揚感があり、新シーズンの始まりにぴったりの曲です。ただしシーズン2では、こういう盛り上がる曲ほど、このあと来る災厄との落差が強く効きます。Scorpions公式チャンネルの Official Video 公開ページを確認できました。
第2話「Trick or Treat, Freak」の楽曲
Duran Duran「Girls on Film」
流れる場面: ハロウィンと学校生活のきらびやかさ、1980年代カルチャーの表面を象徴するような場面で印象に残る楽曲です。
この曲の役割:
この曲が鳴ることで、シーズン2の世界はぐっとポップで華やかに見えます。でもその裏で、イレブンは孤立し、ウィルは恐怖に取り残されています。曲の華やかさが、むしろドラマの不穏さを際立たせています。Duran Duran 公式の「Girls on Film (Official Music Video)」公開ページを確認できたので、シーズン2記事でも埋め込み候補に入れられます。
ハロウィン回らしい音楽の使い方
第2話は、仮装や学校行事の楽しさと、本物の恐怖が隣り合う回です。軽さのある曲が鳴るほど、“この町にはまだ何かがおかしいものが残っている”感じが強まります。シーズン2前半の音楽設計がよく分かる回でもあります。
第3話「The Pollywog」の楽曲
Jim Croce「You Don’t Mess Around with Jim」
流れる場面: 第3話の印象的な使用曲のひとつです。
この曲の役割:
少しおどけた雰囲気のある曲ですが、シーズン2では“危険なものを甘く見るな”という皮肉な響き方をします。ダートをかわいいものとして扱ってしまうダスティンの感覚と重ねてみると、かなり意味深な選曲です。
Psychedelic Furs「The Ghost in You」
流れる場面: 第3話を代表する雰囲気のある一曲です。
この曲の役割:
タイトルどおり、“何かが自分の中にいる”というシーズン2のモチーフと非常に相性がいい曲です。ウィルの不安を直接説明するわけではありませんが、シーズン2前半の幽霊のような不穏さを音楽で補強しています。The Psychedelic Furs の公式動画ページが確認できたため、この曲も埋め込み対象にできます。
そのほかの第3話使用曲
- Ill Repute「Cortez」
- The Al Casey Combo「Cookin’」
- Jumpstreet「How I Feel About You」
第3話は、かわいさ、不気味さ、青春感、違和感が混ざり合う回です。楽曲も同じように、ひとつのトーンで統一せず、少しずつ危険の輪郭を見せていきます。
第4話「Will the Wise」の楽曲
The Clash「This Is Radio Clash」
流れる場面: 第4話の使用曲として印象に残る一曲です。
この曲の役割:
シーズン1で「Should I Stay or Should I Go」がウィルの記号になっていた流れを思い出させるように、この曲もまた“通信”や“接続”のイメージと相性がいいです。第4話は、ウィルの絵や異常がみんなをつなぐ情報になっていく回なので、曲名まで含めて象徴的です。The Clash 公式チャンネルの Official Video 公開ページを確認できました。
Paul Engemann「Scarface (Push It to the Limit)」
流れる場面: 80年代らしい過剰さと勢いを強く感じさせる曲として使われています。
この曲の役割:
ポップで派手な80年代感を前に出しつつ、その裏ではウィルの状態はどんどん悪化しています。このギャップがシーズン2前半の怖さです。
第5話「Dig Dug」の楽曲
Philip Glass Ensemble「Open the Kingdom (Liquid Days, Part II)」
流れる場面: 第5話の印象的な楽曲のひとつです。
この曲の役割:
第5話は、地上の人間ドラマと地下の巨大構造が結びつく回です。この曲の広がりのある響きは、ホーキンスの問題が一気に深く、大きく見えてくる感覚とよく合っています。
そのほかの第5話使用曲
- Carroll Lloyd「Try My Love」
- Bobby Bare「Green, Green Grass of Home」
- Shock Therapy「Can I Do What I Want」
- Hittman「Metal Sport」
- Robert Görl「Darling Don’t Leave Me」
- The Jetzons「When the Sun Goes Down」
- Channel 3「Strength in Numbers」
- Billie Holiday「No More」
第5話は、音楽のバリエーションが広いのも特徴です。町の複数の視点や感情の層が、楽曲の幅にも表れています。
第6話「The Spy」の楽曲
第6話は、スティーブとダスティンのバディ感、ダートの危険性、ウィルの“スパイ”としての恐ろしさが一気に前面に出る回です。前半の軽さと後半の危機感がはっきり分かれ始めるので、音楽の使い方もシーズン2の中間地点として印象的です。
この回は、青春ノリの軽さが完全には消えない一方で、もうそれだけでは済まない緊張感が支配し始めています。シーズン2の“明るさと不穏さの二重構造”がよく分かる回です。
第7話「The Lost Sister」の楽曲
Bon Jovi「Runaway」
流れる場面: 第7話の空気を象徴する代表曲です。
この曲の役割:
タイトルどおり、この回のイレブンはホーキンスを離れ、“家出した少女”のようなかたちで描かれます。ホーキンスの郊外ホラーとは違う、都会的で反抗的な空気を一気に作る曲です。Bon Jovi 公式の「Runaway (Official Music Video)」公開ページを確認できました。
Fad Gadget「Back to Nature」
流れる場面: 第7話の異質さを支える印象的な一曲です。
この曲の役割:
第7話は、他のエピソードとはまるで別の作品のように見える瞬間があります。その違和感を支えているのが、こうした荒くて反抗的な音楽です。シーズン2全体のなかでも、この回だけ音楽の温度が大きく変わります。
第8話「The Mind Flayer」の音楽
第8話は研究所内のサバイバルとイレブン帰還のカタルシスが同時に来る回です。音楽もまた、パニック映画の緊張感と、“仲間が戻ってきた”という感情の解放を同時に支えています。
ここでは、ただ怖がらせるための音ではなく、絶望的な状況の中で誰が誰を助けようとしているのかを強く印象づける役割が大きくなります。シーズン2後半の音楽は、恐怖だけでなく連帯の感情もかなり前に出てきます。
第9話「The Gate」の音楽
最終話の音楽は、地下の作戦、ホッパーとイレブンの再接続、ゲート閉鎖、そして最後の余韻までをひとつにまとめる役割を持っています。ホラー、青春、郷愁の全部を一度に鳴らして、シーズン2の着地点を作る回です。
シーズン1の最終話が“事件の決着”に強く寄っていたのに対し、シーズン2の最終話は“新しい関係性の完成”にも重心があります。そのため音楽も、恐怖の伴奏だけでなく、人間関係の余韻を残す働きが強いです。
シーズン2で特に重要な音楽モチーフ
1. “明るい80年代”と“侵食されるホーキンス”のギャップ
「Whip It」「Girls on Film」「Rock You Like a Hurricane」のような曲は、聞いた瞬間に1984年の活気を作ります。でもその裏では、畑が腐り、ウィルが壊れ始め、地下では何かが広がっています。シーズン2の挿入歌は、このギャップで効かせるものが多いです。
2. 接続と侵入の感覚
シーズン1ほど明確な一曲の反復ではないものの、シーズン2でも音楽は“つながること”と“侵入されること”の感覚に近い位置で使われています。ウィルの状態や、地下で広がる存在感を考えると、音楽もまた境界の曖昧さを支える要素になっています。
3. 第7話だけ別作品のように聞こえること
第7話「The Lost Sister」は、シーズン2の中でも特に異質な回です。音楽もその異質さを支えていて、ホーキンスの郊外ホラーから、都市の反抗劇へ一時的にチャンネルを変える役割を果たしています。Bon Jovi の公式MV公開ページも、その“80年代ど真ん中の外部世界”感と相性がいいです。
まとめ:シーズン2は“スケールアップした80年代ミックス”を音でもやっている
『ストレンジャー・シングス』シーズン2の音楽は、シーズン1の延長でありながら、より派手で、より分かりやすく1984年らしさを押し出しています。アーケード、ハロウィン、パーティ、不良、シカゴ編まで含めて、音楽で世界の広がりが表現されています。
それでも根本は変わりません。この作品の音楽は、ただ懐かしいだけではなく、人物の孤独や恐怖、そしてつながりを支えるために置かれています。シーズン2はそのやり方がさらに多彩になったシーズンで、見返すと“音で作っている感情”がかなり多いことに気づけます。

