Ghostbusters、Aliens、The Warriors……80年代ネタがさらに濃くなった続編を徹底整理【シーズン3以降ネタバレなし】
Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン2は、シーズン1の延長線上にありながら、オマージュの出し方がかなり変わっています。シーズン1が“気づく人は気づく”くらいの染み込み方だったのに対して、シーズン2はもっと前に出てきます。ハロウィン、アーケード、ゴーストバスターズ、パンク、メタル、郊外ホラー、戦争映画っぽい緊張感。80年代カルチャーが、かなり堂々と画面の前に出てきます。
だからシーズン2は、物語を追うだけでももちろん面白いんですが、小ネタや参照元に気づきながら見ると、かなり味が濃いです。とくに海外記事では、Ghostbusters、Aliens、The Goonies、The Warriors、Star Wars、Stephen King 作品群あたりが頻繁に挙げられています。
この記事では、シーズン2に仕込まれたオマージュや小ネタを、見返しが楽しくなるように整理していきます。シーズン3以降の話は混ぜず、シーズン2だけで完結する読み物としてまとめました。
- シーズン2はまず『Ghostbusters』から始まる
- 怪物側は一気に『Aliens』寄りになる
- ボブの存在そのものが『The Goonies』ネタでもある
- マックスは『Mad Max』、でもそのままではない
- シカゴ編は『The Warriors』とパンク映画の空気でできている
- イレブンの旅路は『Star Wars』っぽく見えてくる
- ウィノナ・ライダー関連のメタな遊びもある
- スティーブとダスティンの線路シーンは、またしても『Stand by Me』
- Stephen King 文脈はシーズン2でもかなり強い
- アーケード、He-Man、Ben Cooper……時代小物もかなり細かい
- まとめ:シーズン2は“分かりやすいオマージュ”と“ちゃんとした続編”を両立している
シーズン2はまず『Ghostbusters』から始まる
シーズン2を象徴するオマージュをひとつ挙げるなら、まず『Ghostbusters』でしょう。あのハロウィン回は、単に子どもたちがゴーストバスターズの格好をしているだけではありません。Den of Geek も Vulture も、この回を“シーズン2のオマージュ祭り”として扱っていて、衣装だけでなく、スライムの扱い方やダートの捕獲イメージまで『Ghostbusters』文脈で読んでいます。
子どもたちが“誰がどの役か”でもめるくだりなんて、あまりにもそれっぽい。でもそれがただのコスプレネタで終わらず、そのあと実際に“自分たちで正体不明のものに対処しようとする”流れにつながっていくのがうまいんです。Ghostbusters ごっこが、そのままホーキンスでの実戦になる。シーズン2らしい出だしです。
怪物側は一気に『Aliens』寄りになる
シーズン2でいちばん分かりやすく強まったのは、『Alien』というより『Aliens』寄りの空気です。Vulture は、ポール・ライザー演じるドクター・オーウェンスの存在、脱皮して増殖するデモドッグ、火炎放射器を持った兵士たち、レーダーと警報音の感じまで含めて、シーズン2がかなり『Aliens』を意識していると書いています。Den of Geek も同じ見立てです。
しかも、オーウェンス役にポール・ライザーを置いている時点で、映画好きにはかなりニヤッとします。『Aliens』を知っていると、“この人を信用して大丈夫なのか?”という気分が勝手に生まれる。つまりキャスティングそのものが、小ネタとして機能しているわけです。こういう遊び方は、シーズン2のかなり好きなところです。
ボブの存在そのものが『The Goonies』ネタでもある
シーズン2で加わるボブ・ニュービーは、キャラクターとして良いだけじゃなく、配役の時点でひとつのオマージュになっています。演じているショーン・アスティンはもちろん『The Goonies』のマイキーで、Den of Geek はそこをかなりまっすぐに拾っています。しかもボブが地図を見ながら“X marks the spot”みたいなことを言い出すあたりは、もはや隠す気がないレベルです。
でもこれも単なる内輪受けにはなっていません。『The Goonies』的な“宝探しの少年心”を、大人になったボブがまだ持っているように見えるからです。だからあの人は、ホーキンスの異常事態に巻き込まれても、どこか“冒険を信じる人”に見えるんですよね。
マックスは『Mad Max』、でもそのままではない
第1話のタイトルが “Madmax” である時点で、参照元はかなり分かりやすいです。Vulture は、ジョージ・ミラー作品の『Mad Max』『The Road Warrior』を踏まえつつ、それを“カッコいい新入り女子”に変換しているところがシーズン2らしいと整理しています。
つまりマックスは、ただ“80年代映画の名前をもじった子”ではなく、荒っぽい男性的イメージを持つタイトルを軽やかに奪い返している存在でもあります。スケボー、荒い運転、兄との危うい関係。見た目の派手さだけでなく、キャラの立ち上げ方そのものが80年代アクション映画の匂いを持っています。
シカゴ編は『The Warriors』とパンク映画の空気でできている
第7話「The Lost Sister」が本筋から急に別作品みたいに見えるのは、音楽だけじゃなくビジュアルの参照元がまるごと変わるからです。Vulture はこの回を『The Warriors』的だとかなり明確に書いていて、カリの仲間たちの服装、群れ方、都市の夜の使い方、全部があの路上ギャング映画のノリに寄っています。
Den of Geek も、この回のカリ一味について、コミック『The Invisibles』っぽさやカウンターカルチャー作品の匂いを指摘していました。ホーキンス編の郊外ホラーから、一瞬だけ都会の反抗劇にチャンネルを切り替える。その違和感ごと含めて、第7話はかなり意図的に“異物”として置かれているんだと思います。
イレブンの旅路は『Star Wars』っぽく見えてくる
シーズン2のイレブンは、自分の過去を知り、怒りを使い、別の道を見たうえで、最後に戻ってくる。この流れを Vulture はかなり素直に『Star Wars』的だと読んでいます。列車を動かす場面は“フォースの訓練”っぽいし、首を締め上げる能力の使い方にはダークサイドめいた不穏さがある。最後に復讐ではなく仲間の救出を選ぶところまで含めて、かなり意識的です。
この見立てが面白いのは、イレブンが“善のヒロイン”として最初から完成していないところです。シーズン2の彼女は、暗い方向へ行く可能性もちゃんと見せたうえで、帰ってくる。その揺れの描き方が、ちょっとルーク的でもあり、ちょっとベイダー的でもあるんです。
ウィノナ・ライダー関連のメタな遊びもある
シーズン2は、ウィノナ・ライダー本人の出演歴を踏まえた小ネタもやっています。Den of Geek は、ハロウィン回でボブがドラキュラ姿のままジョイスと踊る場面を、『Bram Stoker’s Dracula』のウィノナ・ライダーへの小さなトリビュートとして読んでいました。演じる本人の過去作までネタにしてくるあたり、かなり遊び心があります。
同じく、イレブンがシーツをかぶって現れる場面を『E.T.』だけでなく『Beetlejuice』っぽいウィンクとして拾う読みもあります。シーズン2はこういう“作品そのものの参照”と“俳優のキャリアへの目配せ”が混ざっていて、シーズン1よりちょっと茶目っ気が強いです。 :
スティーブとダスティンの線路シーンは、またしても『Stand by Me』
シーズン1でもあった“線路を歩く少年たち”の記憶は、シーズン2でスティーブとダスティンのコンビに引き継がれます。Vulture はこの場面を『Stand by Me』にかなり近いものとして読んでいて、友情、会話、成長、ちょっと背伸びした男同士の距離感まで含めて、あの作品の気配があると見ています。
でも、ここで面白いのは、子ども同士ではなく“ちょっと年上の先輩”が混ざっていることです。シーズン2はシーズン1より人間関係が複雑なので、同じ参照元を使っても、感触が少し変わる。そういうアップデートがちゃんとあります。
Stephen King 文脈はシーズン2でもかなり強い
シーズン1の時点でスティーヴン・キングの気配は濃かったですが、シーズン2でもそれは続いています。Den of Geek では、シーズン2のイレブンをX-MENや Dark Phoenix 的に読む記事もありましたが、その裏にはやっぱり“能力を持つ若者が危険でもある”というキング作品的な感触があります。さらに、ボブがジョイスたちをメイン州へ連れていきたがるくだりを“キング作品のメイン州癖”に重ねる読みまであって、かなり徹底しています。
また、ナンシーとジョナサンの“手の傷”を『IT』の血の誓いっぽく見る細かい指摘までありました。こういうのは知らなくても困らないけれど、知ると「この作品、ほんとうにキングが好きなんだな」と分かるタイプの小ネタです。
アーケード、He-Man、Ben Cooper……時代小物もかなり細かい
シーズン2は映画オマージュだけでなく、“1984年らしさ”を支える時代小物の入れ方もかなり細かいです。Den of Geek では、Mike や Lucas の He-Man フィギュア、Dustin の部屋の Ghostbusters グッズ、古いハロウィンマスク文化を思わせる Ben Cooper 系の安っぽい仮装まで拾っていました。こういう小物は背景として流し見しても成立するけれど、止めて見るとやたら楽しい部分です。
この時代小物のうまさがあるから、シーズン2は“80年代映画の引用作”であるだけでなく、“80年代の生活感そのもの”を再現した作品にも見えるんだと思います。大きなネタと小さなネタのバランスがかなりいいです。
まとめ:シーズン2は“分かりやすいオマージュ”と“ちゃんとした続編”を両立している
『ストレンジャー・シングス』シーズン2の小ネタやオマージュは、シーズン1よりずっと派手です。Ghostbusters、Aliens、The Goonies、The Warriors、Star Wars。知っている人が見れば、かなり分かりやすい。でも、それでも作品が崩れないのは、オマージュがちゃんとドラマの中で仕事をしているからです。
シーズン2は、単に“もっと懐かしく、もっと大きく”した続編ではありません。シーズン1で作った世界を広げながら、引用の仕方まで少し変えてきた。だから見返すと、最初に見たときよりずっと面白い。小ネタを追う楽しさまで含めて、かなり豊かなシーズンだと思います。


